遺品整理の深い心遣
突然死、しかも病死、これから社会に羽ばたいて様々な経験をしていく20代の若い男性が亡くなり、埼玉県にあるマンションの一室で、お姉さんとその旦那さんの立ち会いのもとで遺品整理の見積もりをさせてもらい、その2日後には分別作業をすることになりました。
遺品整理の作業をさせていただくときは、基本的に残された家財の中から形見として残す品と、不用品として処分するものを確認していくのですが、作業を始めてから20分くらい経ってから、今まで気持ちをしっかりと保っていたお姉さんが、突然その場に泣き崩れてしまい、その姿を見た私は、亡くなられた方が若ければ遺族の嘆きも大きくなるものだと再確認させられ、老人であれば良いという話ではないのですが、夢や希望を持って生きていこうとした20代の若い弟の命が断たれてしまった悲しみは深いです。
私は、泣き崩れたお姉さん傍を離れ、作業もいったん止めて部屋の外に出ることにしたのですが、他人がどんなに声をかけたところで、その深い悲しみを私たち遺品整理の業者が癒すことは出来ない事をしているからです。
30分ぐらいして、申し訳なさそうに旦那さんが「もう大丈夫です」と声をかけてくれたのですが、時間は気にせず奥さんが落ち着くまで待つことを伝えると、「感謝します」と言って再び部屋に戻って行きました。
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仲の良い家族
そして、次に扉が開いたのは15分後でして、今度は主人ではなくお姉さんが出てきて、後は主人にお願いしていますので、よろしくお願いますと言い残し、自宅に帰られたようです。
主人の話を聞いていると、故人の弟さんと奥さんは中の良い姉弟の用でして、御主人自身もなんて声をかけたら良いのか分からずに落ち込んでおり、本当であればマンションにも連れてきたくはなかったようですが、最後だけは私が手伝わなくてはと、頑張って気丈に振舞っていたようです。
しかし、過去の思い出の品を見ているうちに今までの思い出がよみがえって、気持ちを抑えることができなくなり、我慢の限界を迎えてしまったのだといっていました。
結局は、形見分けの品がほとんどでして、処分するものは日用品ぐらいで、そのほかの品は実家にある青森まで車で届けることになり、実家で迎えてくれた母親も深いため息をつくばかりで、あまりにも早すぎる息子の突然の死に戸惑いと衝撃を受けているようでした。
このように仲の良い家族であればあるほど、今回の不幸は私たちが想像する以上のものがあるのだと思います。
遺品整理のお世話をさせていただく私たちも、虚しさや、やりきれない思いを感じており、残された遺族の方に少しでも役に立てるように、これからも特別の思いを持って形見分けの遺品整理を、丁寧に心を込めて手伝わせて頂こうと思っている所存です。
人の気持ちを分かり、人の気持ちを考えられる人間でなければ、この仕事をする資格はありませんし、続けることは出来ないでしょう。